
同じ音が、少しずつ変わる
金槌が真鍮に触れる音は、形が立ち上がるにつれて高く、短くなっていきます。金工室・まどいでは、その音と手に返る感触を確かめながら、打つ場所を少しずつ移します。
消しすぎない槌目
表面を均一に整えれば、工業製品のような滑らかさに近づけられます。けれど、ここでは手で打った痕跡をわずかに残します。光を受けたとき、その凹凸が器の表情になるからです。

使う人へ渡してから
完成は、工房を出るときではありません。手で触れ、洗い、乾かすたびに色が変わり、その人の暮らしに合う表情へ育っていきます。
つくる手の痕跡と、使う手の時間が、一つの道具に重なっていきます。